毎年12月、町田市の小学生1,400人以上が走る「町田こどもマラソン」(小学3年生以上が対象)。「本番は冬だけれど、準備はいつ、何から始めればいいの?」── そんな保護者様に、ひとつだけお伝えしたいことがあります。
じつは、長距離は “夏のベースづくり”で差がつきます。暑い夏こそ、冬の走りを支える土台を仕込む季節。この記事では、南町田・鶴間公園で活動するコーチの視点から、この夏に何をすべきかを、走り込みに頼らない考え方でお伝えします。
この記事でわかること
- なぜ長距離は「夏のベース(有酸素の土台)」で差がつくのか
- この夏、ご家庭でできる「ベースづくり」の具体策
- ベースはマラソン以外(サッカー等)にも効くこと
長距離は「スピードの土台」の上に、夏の「ベース」を積む
意外に思われるかもしれませんが、長距離を速く走るうえでも、まず土台になるのは「スピード」です。SNE Legacyでは6〜7月にかけて、短距離のダッシュや正しいフォームづくりを中心に、この土台を磨きます(なぜスピードが先なのか、その理由は小学生が長距離を速く走るために|走り込みに頼らない基礎づくりで詳しく解説しています)。
そして、そのスピードの土台の上に、夏(8〜9月)に積み上げるのが「ベース」です。「ベース」とは、私たちが現場で使っている言葉で、ひとことで言えば “長く動き続けられる、からだの土台(有酸素持久力)”のこと。心臓や肺の働き、筋肉のなかの毛細血管の量など、いろいろな力がここに詰まっています。
ベースが育つと、表れ方はとてもシンプルです。同じペースで走っても脈が上がりにくくなり、「前より楽そうに、長く走れる」ようになります。そしてこのベースは、追い込むような走り込みではなく、涼しい時間に“じわじわ”と育てるのが基本。だからこそ、夏休みの朝が絶好の仕込みどきなのです。
半年の練習ロードマップ(今は「ベース」の季節)
12月の町田こどもマラソンへの出場を見据え、SNE Legacyはおおよそ次のように半年を設計しています。もちろん、すべてのお子様が大会に出るわけではありません。それでも、「出てみたい」と思ったときにしっかり力を出し切れるよう、日々のレッスンをこの流れで組み立てています。
- 6〜7月|スピード・フォーム 短距離を中心に土台のスピードを磨く
- 8〜9月|ベース 涼しい時間にジョグの時間を取り、有酸素の土台を育てる ← 次はここ
- 10〜11月|LT 起伏走やビルドアップで“余裕を持って速く走れるペース”を引き上げる
- 直前|調整 距離を少し落とし、スピード・フォームの再確認と本番シミュレーション
各時期の中身や「なぜこの順番か(ゴールデンエイジ理論)」は理論編の記事にゆずります。ここで押さえていただきたいのは、「夏はベースの季節。ここでの積み上げが、涼しくなってからの伸びを左右する」という一点です。
この夏、家庭でできる「ベースづくり」
「では、さっそく長い距離を走らせよう」── その気持ちはよく分かりますが、ここで大切なのは“やりすぎない”ことです。ベースは、追い込まずコツコツ育てるのが正解。ご家庭では、次のことを意識していただければ十分です。
- 涼しい時間に、軽いジョグ 早朝や夕方に、まずは1〜2kmから。慣れてきたら5km以内で“気持ちよく終われる”くらいがちょうどよい塩梅です
- タイムは計らない 記録が見えると追い込みたくなります。夏は「楽に長く」が目的
- 遊びのなかで長く動く 公園遊び・自転車・水遊びなど、長時間からだを動かす日常もベースになる
- しっかり食べる(減量NG) 成長期の体重は基本的に減らさない。バランスよく食べて、動いて消費
そしてもうひとつ、夏に絶対に外せないのが暑さ対策です。無理は禁物。当日の暑さの目安や、練習前後に気をつけたいことは、子どもの運動と夏の暑さ対策の記事にまとめています。あわせてご確認ください。
ベースは「マラソン以外」にも効く
ここで、マラソンを目指していないお子様の保護者様にもお伝えしたいことがあります。この“ベース”は、長距離のためだけの力ではありません。
「長い時間、動き続けられる」というのは、サッカーやバスケットボールなど、走り続ける球技すべてに効く力です。試合の終盤までバテずに動ける子、というのはどの競技でも強い。さらにベースが上がると、運動後の回復が早くなり、翌日に疲れが残りにくくなります。これは、複数のスポーツを掛け持ちしているお子様ほど、大きなメリットになります。
走りの土台は、その競技の“伸びしろ”そのものです。実際、サッカーを頑張っているお子様が走りを整えることで、キレや粘りが変わることは少なくありません。この視点はサッカー少年が陸上を併用するメリットでも詳しくお話ししています。
「一人だと続かない」を、涼しい朝にコーチと ── 「あさラン!」
とはいえ、「涼しい朝に、コツコツ、追い込みすぎずに走る」を家庭だけで続けるのは、なかなか難しいものです。ペースが分からず追い込みすぎてしまったり、一人だと飽きて続かなかったり。
そこでSNE Legacyでは、この夏の朝に、ベースづくりをコーチと一緒に行う特別プログラム「あさラン!」を開催します。対象は小学3〜6年生。夏休みの涼しい朝の時間帯・全6回で、町田こどもマラソンに向けた“夏の土台”を一気に仕込みます。通常レッスンに通っていないお子様(非会員)もご参加いただけます。
指導するのは、長距離指導のプロ
代表・ヘッドコーチ 木村克也。法政大学陸上競技部(箱根駅伝チーム)出身で、長距離種目を中心に 日本選手権・インカレ・インターハイに出場する選手を多数輩出してきました。現在も法政大学陸上競技部でコーチを務めています。この記事でお伝えした“走り込みに頼らない”考え方は、その理論と現場の実践に裏打ちされたもの。お子様の夏を、安心してお任せください。(詳しい経歴はコーチ紹介ページをご覧ください)
よくあるご質問
- Q. 何年生から参加できますか?
町田こどもマラソンが小学3年生以上のため、小学3〜6年生を対象としています。 - Q. 走った経験がなくても大丈夫?
大丈夫です。むしろ夏のベースづくりは、これから始めるお子様にぴったりの内容です。追い込ませず、走る楽しさから育てます。 - Q. 夏の朝、暑くないですか?
一日のうちでいちばん涼しい時間帯に実施し、暑さ対策も徹底します。無理はさせません。また、参加者全員がスポーツ安全保険に加入します(当クラブ負担)。
町田こどもマラソンとは(おさらい)
町田こどもマラソンは、毎年12月に町田GIONスタジアム(町田市立野津田公園)で開催される、小学生1,400人以上が参加する冬の一大イベントです。3・4年生は約2km、5・6年生は約3kmを走ります。大会の概要・コース・エントリーの流れは、町田こどもマラソン完全ガイドにまとめていますので、あわせてご覧ください。
この夏の一歩を、コーチと
長距離は、才能で決まるものではありません。スピードの土台に、夏のベースを積み、秋に磨く── その積み重ねで、どの子も着実に変わっていきます。その“夏の土台づくり”を、涼しい朝にコーチと一緒に始めてみませんか。南町田・鶴間公園でお待ちしています。