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「運動会、せめて転ばずに……できれば、良い順位で走らせてあげたい」── わが子のかけっこを見守る保護者の方なら、一度はそう思うのではないでしょうか。徒競走の順位は、本人にとっては思いのほか大きなできごとで、「自分はやればできる」という自信にも、「自分は運動が苦手」という思い込みにも、つながっていきます。
では、もし速く走れるようになったら、その子はどう変わるでしょうか。順位やタイムが上がること自体より、その先にある変化のほうが、ずっと大きいと私たちは考えています。「やればできた」という手応えは、確かな自信になります。身体を動かすことそのものが楽しくなり、運動会以外の場面でも、臆せず一歩を踏み出せるようになる。挑戦できることが増えれば、お子様の世界はぐんと広がっていきます。速く走れるようになることの本当の価値は、走力そのものではなく、その子の「これから」が変わっていくことにあります。
この記事では、今日から意識できる「走り方のコツ」を、できるだけ具体的にお伝えします。ただし正直に言うと、コツだけで誰もが1位になれるわけではありません。本当に走りを変えるのは、正しいフォームと、それを身につける積み重ねです。そして大事なこと──足の速さは「才能」だけで決まるものではなく、その多くは「技術」です。だから、運動が苦手なお子様でも、走りはちゃんと変えられます。南町田・鶴間公園で活動する陸上クラブのコーチが、順を追って解説します。
運動会の「速い・遅い」は、何で決まる?|短距離を3つに分解する
まず、「速く走る」を分解してみましょう。短距離(徒競走)は、大事な順に、大きく次の3つに分けて考えると整理できます。
- ① スプリントフォーム(走りそのものの“形”)
- ② レース局面の走り方(スタート → 加速 → 最高速 → フィニッシュ)
- ③ テクニック(リレーのコーナーやバトンなど)
このうち、運動会の徒競走でいちばんの土台になるのが①のスプリントフォームです。そして、ここに小学生ならではの大きなチャンスがあります。小学生は、正しい動きを覚えるだけで、走りが大きく変わりやすいのです。
たとえば、身体の中心に近い大きな筋肉(股関節まわりなど)を使って走れる子と、手先・足先など末端を使いがちな子とでは、同じように走っているつもりでも、進み方がまるで違ってきます。ところが、速いスプリントフォーム──脚が後ろに流れず、すばやく前に引き戻す動きや、地面を身体の真下近くでとらえる接地(多くの子は、身体の前に着きすぎています)──は、独学で身につけられる子は、そう多くありません。
無理もないんです。小学校の体育では、徒競走の「速く走る本質」までは踏み込んで教わる機会が、実はとても少ない。だからこそ、正しい動きを順を追って身につけるだけで、ぐんと変わる余地が残されています。
レース局面ごとの「走り方のコツ」|スタート・加速・最高速・フィニッシュ
ここからは実用編。②のレース局面ごとに、意識したいポイントを見ていきましょう。お子様と一緒にイメージしてみてください。
スタート:「位置について」では、前の足に体重をのせ、やや前傾の構えをつくります。号砲では地面を強く押す。ここでカギになるのが「身体を前に倒す」こと。試しに、まっすぐ立って足をそろえ、ゆっくり身体を前に倒していくと、倒れる直前にどうしても一歩、足が前に出ますよね。あの「自然に足が前に出る前傾」を、スタートでつくるイメージです。
加速:飛び出したあとも、すぐには起き上がらず、前傾を保ったまま。そこから少しずつ身体を起こしていきます。まっすぐ直立するまでが「加速の区間」です。
最高速:身体が起き上がってからが、いちばんスピードが出ている局面。ここから先、スピードをさらに上げることはできないので、いかに落とさないかが勝負になります。リズムを変えない、ブレーキをかけない走りを心がけます。
フィニッシュ(減速期):後半は、どうしてもトップスピードから少し落ちます。それを無理に上げようとするより、大きく落とさないことが大切。ブレーキのかからないフォームで、リズムを保ったまま走り切ります。ゴールは手前でゆるめず、ゴールラインの2〜3m奥まで走り抜けるイメージで。
(リレーに出るお子様は、コーナーで身体を内側へ少しだけ傾け、スピードをゆるめずに曲がるのがコツです。)
……ここまで読んで「むずかしそう」と感じた方、正直なところ、その通りです。レース局面を意識して走り分けるのは、簡単ではありません。そして何より、土台となる①のスプリントフォームができていないと、これらのコツも効果が出にくいのです。次が、いちばん大事な話です。
本当に差を分けるのは「正しいフォーム」|コツの先にある本質
コツは、いわば「今ある力を出し切る」ための工夫です。一方で、走りの“伸びしろの本体”は、スプリントフォームそのものにあります。ポイントは2つ。大きな筋肉(股関節や肩甲骨まわり)を、大きく・速く動かせること。そして関節を、正しい軌道で動かせることです。
これらは、頭で分かってすぐにできるものではありません。SNE Legacyでは、動き全体を通して走る練習(全習法)と、動きを部分に切り出して磨く練習(分習法)を行ったり来たりしながら、少しずつ身体に落とし込んでいきます。たとえば、まず走り以外の動作で大きく動かす → 次に速く動かす → その動きを走りの一部として切り取る → 実際の走りでやってみる、という順番です。
正しい走りの動きは、腑に落ちるまでに時間がかかります。だから私たちは、ある程度の期間をかけて「なぜそう動くのか」を理解してもらい、実践を通して動きをよくしていきます。頭で納得して動けるようになると、再現性がまるで違うんです。逆に、無意識でもできるところまで落とし込めていないと、本番の緊張した場面や、疲れがたまったときに、その動きを出せない。運動会の直前にあわてて“コツ”を詰め込むより、こうした土台をコツコツ育てていくことが、結局はいちばんの近道だと、私は考えています。
※接地=足が地面に着くこと。全習法=動き全体を通して行う練習/分習法=動きを部分に分けて行う練習。股関節や肩甲骨まわり(肩甲胸郭関節)など、身体の中心に近い大きな筋肉をうまく使えると、速く・楽に・怪我なく走れると言われています。
「運動が苦手」な子こそ、走りは変えられる
ここで、いちばん伝えたいことを。足が遅いことは、才能の問題ではありません。走りは技術なので、正しく取り組めば、ちゃんと変わっていきます。
陸上の良いところは、他人との勝ち負けだけでなく、「過去の自分」との勝負があること。昨日の自分より速くなれれば、それでいいんです。だから、苦手な子ほど“伸びしろ”を実感しやすい。そして技術が身についてくると、不思議なもので、走るのが苦でなくなり、だんだん走ることが好きになっていきます。
実際に、こんなお子様がいました。入会のきっかけは、お友達に「走るのが遅い」「フォームが変」と言われて、落ち込んでしまったこと。最初のころは、練習にもどこか後ろ向きでした。それが、半年通ううちに変わっていきます。今では、タイム計測のとき誰よりも気合を入れ、大きな声を出してスタートを切るように。自己ベストも、続々と更新しています。自信がついたからこその成長です。私たちは、こういう変化をいちばん大切にしたいと思っています。
ゴールデンエイジの「今」が、走りを育てるチャンス
神経系が著しく発達する6〜12歳ごろは、よく「ゴールデンエイジ」と呼ばれます。この時期に正しい動き・正しい走りを身につけておくと、後から覚え直すよりずっと効率よく、しかも将来に効いてきます。“複利”のように積み上がっていくイメージです。
つまり、走り方を見直す価値があるのは「今シーズンの運動会」だけではありません。この時期に土台をつくっておくと、その後の運動が、ずっと楽になります。しかも、ここで身につけた走りは、運動会だけでなく、サッカーなど他のスポーツにもそのまま活きます(→ サッカー少年が陸上を併用するメリット)。運動会は、その第一歩を踏み出す、ちょうどいいきっかけです。
運動会前によくある質問(FAQ)
Q. 運動会の前日、速くなるためにやっておくことは?
特別なことは、ありません。前日は、しっかり休むのがおすすめです。直前に詰め込むより、体を整えて当日を迎えるほうが、力を出し切れます。
Q. 走るのが苦手なので、家でも練習させたほうがいい?
苦手なお子様は、無理にご家庭でトレーニングしなくて大丈夫です。まずは、クラブの練習に継続して通うことを大切にしてください。続けるうちにモチベーションが上がってきたら、そのとき自主トレを始めればOK。コーチに声をかけてもらえれば、その子が“今やるべき練習”をお伝えできます。
Q. 何年生から走り方を習って意味がありますか?
早いほど土台づくりに有利ですが、いつ始めても大丈夫です。「気づいた今」が、いちばん早いタイミングです。
Q. 運動が苦手でも通えますか?
もちろんです。むしろ歓迎しています。否定しない指導で、「過去の自分」と比べながら、一歩ずつ進みます。
Q. 町田で走り方を習うには、どこに行けばいい?
かけっこ教室や陸上クラブがあります。大切なのは、継続して走りを見てもらえるか。選び方は、次の章でも触れます。
町田・南町田で「走り方」を習うなら
町田は、走れる公園や競技場が身近にある、子どもが走るのに恵まれた街です。南町田・グランベリーパーク隣接の鶴間公園のように、運動会の練習にも向いた環境が近くにあります。
「運動会で速く」を本気で目指すなら、単発のコツよりも、継続して走り方を見てもらうのが近道です。町田で陸上クラブ・かけっこ教室を探すなら、地域の環境・選び方・出られる大会までを中立的にまとめた町田の陸上 完全ガイドもあわせてご覧ください。
もう一つ。町田には、3年生以上が出られる町田こどもマラソンという大会があります。毎年12月、小学生1,400人超が集まる、運動会とはまた違う大舞台です。走りに自信がついてきたら、こんな場所にチャレンジしてみるのも、お子様の世界を広げてくれます。詳しくは町田こどもマラソン完全ガイドへ。
SNE Legacyという選択肢
ここまで読んで「走り方を習わせてみようか」と思われた方へ。最後に、私たちSNE Legacyのことも、少しだけ紹介させてください。
SNE Legacyは、南町田・鶴間公園を拠点とする小学生向けの陸上クラブです。田園都市線「南町田グランベリーパーク駅」から徒歩圏で、町田からも通いやすい立地。短距離(スプリント・フォーム)を専門的に指導できるのが強みで、運動会・かけっこの走りを伸ばす受け皿になれます。そして何より、運動が苦手な子も大歓迎。否定しない指導で、まずは「走るのが楽しい」を育てます。
代表コーチ・木村克也は、スポーツコーチング・トレーニングを専門に学び、一人ひとりの段階に合わせて指導しています。詳しい経歴はコーチ紹介ページを、会場やアクセスは会場・アクセスページをご覧ください。先ほどの「お友達に“遅い”と言われて入会した子」のように、走りと一緒に自信が育っていく姿を、私たちはいちばん大切にしています。
運動会を、笑顔のゴールに
今ある力を出し切る「コツ」と、伸びしろを育てる「フォーム」。その両方がそろうと、走りは変わっていきます。そして走りが変わると、運動会の景色も、お子様の表情も変わります。運動会は、ゴールではなく、走ることを好きになるためのきっかけ。足の速さは、技術。だから、どの子にもチャンスがあります。
その第一歩を、SNE Legacyの無料体験から始めてみませんか。町田の陸上やクラブ選びをもっと知りたい方は、町田の陸上 完全ガイドもどうぞ。